濱田真澄
釣りと鰻が好きだが、最近スパイスカレーにもはまっている。
今日のお昼は絶対にカレーが食べたい。
そう思った時に、脳裏をかすめた記憶。
気がついたら電車に乗っていた。
目指すは春日原。
以前カレー仲間に聞いた店名は「みやうら商会」。
スパイシーキーマカレーをベースに
ホールスパイスを足す事で香り高く余韻が続くカレー。
オリジナルスパイスと自家製引きの九州産鶏を使い、
スパイスの個性と素材本来の旨味を両立している店だという。
店内はBGMが流れておらず、
静かな空間にスプーンが食器に当たる音と
小声での会話がかすかに聞こえてくるのみ。
そして奥から香るスパイスの香りが期待感を高めていく。
メニューはココナッツキーマ・スパイシーキーマ・特スパイシーキーマの3種類とシンプル。
スパイシーと特スパイシーとの違いはホールスパイスの有無。
迷うことなく特キーマを選ぶ。
店員さんに、多少時間が掛かるとの案内をされる。
右隣のお客さんの大盛りが到着する。
香りがいい。高まる期待感。
左隣の二人組お客さんの話し声が聞こえてくる。
スプーン一つでご飯2回は行ける、大盛りにすればよかったかもとのこと。
自分もそうすればよかったかもと少し考える。
待つこと15分。
オイリーなスープの中にキーマの山。
ベイリーフと唐辛子付き。
食べる。
旨い。
これはご飯が足りなくなるのが一口目でわかってしまう。
”ゴリッゴリッ”
カレーを食べる音ではない音が口内からする。
そして噛むたびに香りを感じられる。
噛むホールごとに毎回風味の違いが楽しめる。
九州産の鶏を店で挽いてるので
サイズの違いもあるのかもしれない。
キャベツのアチャールのかすかな酸味と歯ごたえがまた素晴らしい。
メニューにはないが、100円でご飯おかわりが可能とのこと。
実にすばらしい店だった。
是非またいきたい。
写真:濱田真澄
イラスト:藤城洋次